新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、留学協会に多く寄せられるトラブル相談事例(Q&A)

 

Q 留学予定をしていた国が新型コロナウィルスの影響で入国制限(または拒否)、または学校が休校になった。キャンセルをしたいと考えているが、キャンセルチャージがかかると言われ納得が行かない。

A 現地学校との在学契約及びその解約、留学仲介業者との仲介契約及びその解約を分けて考えてください。
 現地の学校との解約については、まずは当該学校が定める規定、とりわけ解約解に伴う違約金(=キャンセルチャージ)の規定を確認して下さい。疫病が発生しても学校は責任を負わないと書いてある例はまま見られますが、今回は全世界的な人類の危機という特別な事態ですので、その点を指摘して学校と違約金なしで解約できないか交渉してみて下さい。学校によっては、時期をずらしての入学を受け入れているところもあります
 留学仲介業者との解約についても、基本的にはその業者が定めている規約や約款によることになります。それでも違約金が高すぎると感じられる場合、上述した特別の事情によることを指摘したり、また消費者契約法9条の平均的損害を超える違約金ではないか検討した上で、交渉してみて下さい。やり取りに関しては、誤解が生じないよう書面やメール等でのやり取りが良いと思います。

 

Q 留学中に新型コロナウィルスの影響で学校が休学になった。残り4週間ほど残っているが、状況を鑑みて帰国した。授業料の返還はないという。(授業料の1年以内の移行はあり)返金をされないので、納得行かない。(学校のキャンセルポリーシーでは、解約による返金はなし)

A 学校の規定によるのが原則となります。もっとも、現地における消費者保護に関する法規制に違反していないか、あるいは法の適用に関する通則法11条により消費者の常居所地法である日本の消費者契約法の適用があり、一切返金しないとの規定は同法9条に抵触している可能性もあります。もっとも、それで裁判までしなければならないというのではハードルは高いといえます。前問と同様、全世界的な人類の危機であり、自由な入出国もままならないという特別な事情があることを指摘し、返金を交渉してみるのがよいのではないでしょうか。今回は事情によって、柔軟に対応している例も見られます。やり取りに関しては、誤解が生じないよう書面やメール等でのやり取りが良いと思います。